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   加洲通信
 
「もともと特別なOnly One」
 
 良い時代になったものである。ロサンゼルスにいながらにして、日本のNHKの紅白歌合戦を見て、オーストリアのウィーン交響楽団の新春コンサートを聴く。鹿児島にいてニューヨークでの松井選手の活躍や、この夏アテネで開催されるオリンピックを楽しめる。宇宙衛星のおかげである。衛星放送は国境を越え、電波を世界に広げる。一昔前には考えられなかったことである。SMAPが大トリで歌った「世界に一つだけの花」の歌い出しが「もともと特別なOnly One」だった。北島三郎さんに代わっての若い5人の大トリは何か新しい時代への日本の変化をも感じさせた。いい学校に行き、いい会社に入り、いい人生を送るという誰もが求めたパターンが変化しつつあるのかもしれない。しかしその変化の先が見えなくて、多くの若者たちが悩んだり、苦しんだりしているのかもしれない。そしてそれを見て心配を募らせている私たち、親の世代がいる。組織への一体化が求められ、それに喜びを感じていた時代があった。個性の発揮よりは集団への協調性が至上の価値として見られた時代があった。そしてその頑張りにより日本は世界でも有数の物の豊かな国となった。その豊かさの中で育った若者たちはさらに精神的、心の充足を求め始めているのかもしれない。そのためには自分らしさを発揮して、社会に生きる道を模索しているのかもしれない。
 
 時代は工業化社会から情報化社会へ確実に変化している。その中で大量生産・大量消費の時代に変わる新しい時代にマッチした生き方を求めているのに違いない。環境問題も押し寄せている。世界人口爆発の問題も抱えている。中学卒業生が金の卵と呼ばれ、集団就職列車で多くの若者が地方から東京や名古屋や大阪の工場に大移動した1950年時代と同じような大きな変化が起きつつあるのかもしれない。
 
 人間の知恵はいつも新しい時代を切り開いてきた。しかしその前にはいつも混乱と苦労の時期がある。過去十年余りの日本の状況がそれだったのではなかろうか。これからは新しい豊かな日本の始まりではなかろうか。そのためには若者たち、そして大人の私たちが全員「もともと特別なOnly One」であることを自分に言い聞かし実感する必要がある。そして一つの価値や基準で他を切り捨てるのではなく、その違いの広がりと豊かさを評価し、認め合う必要がある。多様な価値や生き方を良しとし、すべての人に優しく寛容であることが大切である。その上でのチームワークが重要なのであろう。
 
 新年恒例のウィーン交響楽団の新春コンサートで指揮者のリッカルド・ムーティさんが述べた言葉があった。「喜び、悲しみ、希望を持つことは、人種や宗教、文化にかかわらずすべての人に共通のことです。今のような時代にこそ、音楽が世界を一つにすることを信じ、われわれの子供たち、世界のために平和を祈りましょう」と。昨年妻と二人で回った春46日、秋55日、合計101日間の世界一周旅行の終わりに私たちが実感したことは、所変われば品変わるで、世界にはさまざまな習慣の違いや文化の違いがあること、しかしそれにかかわらず、基本的な人間の感情や心は同じと言う、考えてみれは当然の事実であった。
 
 広大な宇宙に浮かぶ、地球と言う一つの星に住む私たちは、自分とあらゆる命の貴さを実感し、自分の周りの人々と助け合って生きることが求められている。日本のみならず世界の人々の痛みや悲しみや喜びを共感する必要がある。そこから新しい勇気と生き甲斐も生まれてくるのかもしれない。SMAPの歌のように、自分の価値を認め、自分を愛し、自分を誇りに思い、その上で人に役立つ生き方をする中で、新しい夢や目標が生まれてくるのではと思う。2004年がその最初の年となることを祈りたい。
 

(国際ビジネスコンサルタント=米国カリフォルニア州ロミタ在住)

 

 

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